5.微生物を用いた廃水処理(2)
2-3-3 オキシデーション・ディッチ法(OD法)
最初沈殿池を省略 楕円形などの無終端水路の活性汚泥槽を有し,長時間エアレーション
→滞留時間を長くし有機物負荷を低くする
機械式曝気装置によりエアレーション→反応タンク内を好気と嫌気条件に分けることにより、脱窒処理が可能
小規模処理施設に適しており,多く用いられている。
2-3-4 生物膜法
活性汚泥法にくらべて、増殖の遅い微生物でも洗い流されないので、多様性大
→細菌を捕食する原生動物のほか、さらに原生動物を捕食するワムシなどの後生動物が食物連鎖を形成
→発生する余剰汚泥が少なくなる
生物膜の内部は嫌気性→脱窒反応もおこる
・ 散水ろ床法 石、プラスチックなどのろ床に形成された生物膜により、ろ床に流した廃水が浄化される
活性汚泥法が確立する以前に行われていたが、 広い場所が必要なため行なわれなくなった
・ 浸漬ろ床法 活性汚泥法の曝気槽に、微生物が付着しやすい担体を充填する
汚泥を返送する必要がない、バルキングがおこらない
→小規模下水処理場や農村集落排水処理場で多く用いられている
・ 回転円盤法 排水に40%つかるように、円盤を設置、回転させる
円盤状に形成された生物膜により分解 空中にでたときに酸素が供給される
2-3-5 嫌気性処理法
高BOD排水の好気性処理の前処理、余剰汚泥の処理に用いられる
→高濃度の排水でないと、微生物濃度を高く保てない
多くの通性嫌気性細菌、絶対嫌気性細菌の共同作業による
利点 曝気の必要がないので、省エネルギー型である(好気性処理の1/10)
発生するメタンをエネルギーとして利用できる
余剰汚泥の発生が少ない(好気性処理の1/5)
欠点 処理速度が遅いので、大型の処理槽が必要
処理水質が悪く、後処理が必要
悪臭が発生し、処理水が白濁や着色する
低温での処理効率が低下する
・上向流嫌気性流動床(UASB)Upflow Anaerobic Sludge Blanket
自己造粒型嫌気性微生物群(主に、メタン生成菌)を用いて排水中の有機物をメタンガスと二酸化炭素に分解
グラニュールを形成(グラニュール汚泥),流動床として用いる 粒径0.5〜3.0mm程度
→固定床より生物密度を多くできる→微生物濃度を極めて大きくしており処理速度は大きい
→懸濁性の有機物は,グラニュール形成を阻害するので不適 可溶性の有機物処理に向く
2-3-6 窒素、リンの除去
富栄養化を防ぐ
・生物学的脱窒法
好気的硝化と嫌気的脱窒を組み合わせる
脱窒素槽と硝化槽を直列に並べる
アンモニアは脱窒素槽を素通りし、硝化槽で硝化細菌(独立栄養生物)により亜硝酸イオン、硝酸イオンに変換される(好気)
中性付近のpHが至適
NH4 + 1.5 O2 → NO2-+ H2O + 2 H+
NO2- + 0.5 O2 → NO3-
→硝化過程ではpHは下降する
脱窒素槽に戻し,脱窒菌(従属栄養)により脱窒を行う(嫌気)
中性付近のpHが至適
その際BOD成分を栄養源(水素供与体)として利用するので、栄養源を加える必要がない(脱窒素槽が前にある利点のひとつ)
NO2- + 3 H+ → 1/2N2 + H2O + OH-
NO3- + 5 H+ → 1/2N2 + 2 H2O + OH-
→脱窒過程ではpHは上昇する→硝化槽でpH調整のため加えるアルカリの低減
この方法で、90%の窒素が除去できる
反応速度 脱窒反応>硝化反応 硝化細菌の生育速度は遅い→滞留時間を長くする必要あり
・生物学的脱リン法
ポリリン酸蓄積細菌を用いてリン酸を取り込ませて除去
この細菌は嫌気的条件で細胞内のリンを放出するが、好気的条件にすると放出した以上のリンをとりこみ蓄積する
→余剰汚泥として排出 分解するわけではない
脱窒素槽の前に嫌気槽を設置、硝化槽でリンを取り込ませる
2-3-7 廃水の3次処理(高度処理)
1. 凝集沈殿 無機系・高分子系凝集剤を添加して残存成分を沈殿させて除去
2. 砂ろ過
3. 活性炭吸着 においや着色成分を除去