Page 10-9 : オーバーシュート / 行過ぎ量

戻る



【 オーバーシュート 】
左図に、目標値をステップ状に変化させたときの応答の一例を示す。応答は、減衰振動しながら目標値に収束していく。この応答のように、測定値が目標値を超えることを、オーバーシュートが生じたと言う。

この量を定量的に表現したものが行きすぎ量である。行きすぎ量は、最初のオーバーシュート量と目標値の変化量との比として表される。

図の応答のように、減衰振動を生ずる応答を、不足制動応答(underdamped response)と言い、振動せず滑らかに目標値に近づいていく応答を、過制動応答(overdamped response)という。過制動応答では、オーバーシュートはあらわれないが、その応答は遅くなる。

プロセスの性質によって、オーバーシュートを絶対に起こしてはならないプロセスがある。このようなプロセスの制御では、制御応答の速度が遅くなってもやむを得ず、過制動応答となるよう調節計を調整する必要がある。■