Page 10 : 制御系の安定性
【 制御系の安定性 】
制御系を設計するさい、最も大切な要点は、制御系の安定性である。あるプロセスをフィードバック制御し、PID 制御器の比例ゲイン Kcを変化させたときの応答を左図に示す。
Kcの値がある限界値 Kcu(限界比例ゲイン)以下の場合、系は安定で、その応答は減衰しながらある値に収束する(a)。Kc=Kcuの場合には、応答は持続振動を示す(b)。
Kcが限界値より大きい場合、応答は発散し、系は不安定となる(c)。制御操作変数の大きさに限度がある場合(with saturation)、操作変数の最大・最小値の間で制御動作が行なわれ、応答は振動する(d)。
実際の制御系は、安定を示す範囲内で操作しなければならない。■