Page 12 : ファジイ制御

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【 ファジイ制御 】
“ファジィ(fuzzy)”という言葉は“あいまいな”とか“ぼやけた”というような意味を示し、羽毛のようにふわふわとしていて境目や輪郭が明確でないことを表す。このあいまいさを扱うファジィ推論は、1965年にカリフォルニア大学教授のザデー(L.A.Zadeh)によって提唱され、これによって定性的な言葉を定量的に表現することができるようになった。

“ファジィ”は、数式ではきちんと表せない情報を扱うことができる。例えば「中高年」や「若者」といった表現は、何歳以上が中高年で何歳以下が若い人といった明確な定義はない。そこでファジィ理論では、若い人であるということの確からしさを「20歳以下は1.0、25歳では0.9、30歳では0.5、40歳では0.2」というような値を取る連続的な関数(メンバーシップ関数と呼ばれる)として定義することで、あいまいな概念を定量的に計算できるようにした。

ファジィ制御とは、人間(オペレータ)の経験、勘、こつなどをIF-THEN(もし〜なら−どうする)のルール形式で表現し、オペレータと同じような巧妙な制御をコンピュータで実現することをいう。

たとえば、温水シャワーの温度を適温にコントロールするとき ・(IF)〜もし少しぬるければ−
(THEN)〜少し温度を上げる ・(IF)〜もしかなり熱ければ−
(THEN)〜大きく温度を下げる ・(IF) 〜・・・−(THEN) 〜・・・

このように「少し」とか「大きく」というような、数式では判断が難しい定性的な言葉を、メンバーシップ関数を使って定量的に表現し、従来ベテランオペレータのみが可能だった非線形で複雑なシステムを制御することが可能となった。

現在、洗濯機やエアコンなど、マイコン制御の家電製品の多くに、ファジィ制御が応用されている。さらに工業面での応用では、トンネル掘削機(シールドマシン)、クレーン、焼却プラント、半導体製造装置・・・等、着実な実運用へと進んでいる。■
http://www.weblio.jp/content/  &  http://www.m-system.co.jp/mstoday/ plan/mame/1998-1999/9803/index.html から一部引用