Page 5-8 : 電磁流量計の原理

             [ 図 -1, -2 ]

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図-1

【 電磁流量計の原理 】
電磁流量計は、電磁誘導に関するファラデーの法則(図−2参照)を利用して、導電性の液体の流量を測定する。

液体が流れている測定管に対し、垂直に磁界を加えると、管内の液体が磁界を横切るので、液体の平均流速 v と磁界の磁束密度 B の積に比例した電圧 E が発生する。これを測定管の側面に設置した電極によって取り出し、液体の平均流速を求める。

電磁流量計では、測定管内に液体の流れをさえぎるものが何もなく、また、接液部の材料を適切に選択すれば、固形物を含む液や、高粘度液、強腐食性液体にも対応できる。そのため、差圧流量計に次いで数多く使用されている。■




図-2

【 電磁誘導とファラデーの法則 】
1820年、電線に電気を通すと、その周りに磁気が生まれること(電流の磁気作用)がエルステッドによって発見された。1831年、ファラデーは、中空の筒に電線を巻いて作った「コイル」の中で、棒磁石を入れたり出したりすると、コイルに電流が流れることを確かめた。また、逆にコイルに電流を流すと磁石に力が生じることを発見した。

この現象を電磁誘導 (electromagnetic induction) という。磁束を変化させると電荷を動かす(電流を流す)ことができ、電荷が動く(電流を流す)と磁界が発生し磁石に力を及ぼす現象で、発電機やモータの原理になっている。

水力発電所では,高いところから流れ落ちる水流を利用して,大きな磁石を巨大コイルの中でクルクル回して発電し、火力発電や原子力発電も水蒸気の力を利用してタービンを回し,電磁誘導により発電する。

電磁流量計では、磁界の中を導電性液体が流れると、流れと直角の方向に、流速に比例した起電力が生じるという原理を利用したものである。

この電磁誘導の原理は、IH 調理器に利用されている。IH とは“誘導加熱”を意味する[ Induction Heating ]の略である。 IH 調理器では、コイルの上にステンレスなど電気を通す金属でできた鍋などを載せ、コイルに電流を流すと磁力線が発生し、なべ底に渦電流が流れて鍋自体が発熱する。■