Page 7-5 : UV計

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【 UV計 】
UVとはUltra Violetの略で、紫外線のことである。ある種の有機物は、紫外領域に吸収をもつ。そこで、有機物を含有する試料水槽に紫外光を照射すると吸収が起こり、透過光の紫外光は減少する。この吸光度を計測することによって試料水中の有機物を計測することができる。この有機物の量は、CODの計測値に対して良い相関性をもつことから、UV計をCODの自動計測器として用いることができる。

吸光度の計測範囲は、0〜1.0の範囲で測定することが望ましく、求められた吸光度を検量線によりCOD値に換算する。 また、懸濁物質等を含む試料水では、光の散乱が生じ、計測誤差となるので、色ガラスフィルターで選択した可視光の吸光度を同時に検出し、紫外光の吸収度から可視光の吸光度を差し引いて懸濁物質の影響を補正する。

吸光光度法の原理
試料溶液に紫外線を通すと、試料に応じて特有の波長の紫外線が吸収される。この吸収は試料分子内の電子が基底エネルギー状態から、より高い励起された状態へ遷移を起こすことによるものである。この場合、両エネルギー状態間のエネルギー差ΔEと、吸収される紫外線の波長λとの間には、

ΔE/h=C/λ (hはプランク常数、Cは光速度)

という関係があり、ΔEは分子によって特有な値を持つことから、λも分子に特有なものとなる。言い換えれば、それぞれの物質は、その固有の紫外スペクトルを有するわけである。

紫外線吸収の強さは、ランベール・ベールの法則に従う。ランベールによれば、入射光が溶質によって吸収される割合は、溶質層の厚さに比例する。また、ベールによれば、入射光が溶質によって吸収される割合は溶質の濃度に比例する。すなわち

吸光度=(常数)×(溶液層の厚さ(セル長))×(溶質の濃度)

ここで吸光度とは、試料入射前と試料透過後の光の強さをそれぞれ I0、Iとすると、log(I0/I)で表される量である。したがって濃度既知の標準溶液について、縦軸に吸光度横軸に濃度をとれば直線関係が得られる。通常は、この直線関係が維持される濃度範囲のみを定量分析に利用する。試料の濃度を求めるときは、分光光度計により吸光度を測定し、上記直線関係のグラフ(検量線とよばれる)を利用すればよい。■
http://www.yokogawa.co.jp/an/uv/ an-uv400g-001ja.htm  & http://www.rikohkagaku.co.jp/seihin.files/ uvr3000d.pdf から一部引用