培養細胞を用いた癌・高血圧予防物質の開発


癌や高血圧の予防効果が報告されているショウガ由来のジンゲロールなどの生理活性物質について,有機合成によりつくられた構造の異なる誘導体を培養細胞に加えることによりその効果を調べ,より効果の高いものを見出そうとしています。このような研究により,癌や高血圧の予防効果の高いサプリメントの開発を目指しています(図1)。腎臓細胞に存在する上皮性ナトリウムトランスポーター(ENaC)の過剰発現は食塩感受性高血圧の原因となります。ケルセチンなどのポリフェノール類はENaC発現抑制効果を有することが知られています。そこでケルセチンと構造の類似しているポリフェノール類であるジンゲロールとその誘導体によるENaC発現抑制効果を解析しました。解析は,アフリカツメガエル腎臓由来A6細胞に浸透圧ショックを与えることによりENaCを発現誘導し,リアルタイムPCRを用いてENaC mRNAを定量することにより行いました。その結果,S体ジンゲロール誘導体については鎖長が長いほど顕著な抑制効果がみられました(図2)。

図1 培養細胞を用いた解析

図2 ジンゲロール誘導体によるENaC発現抑制効果



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