研究概要
航空機エンジンやガスタービンあるいはその周辺の新技術で用いられる高温セラミックス材料は、常に”これまで以上”の過酷な環境に耐えるスペック(耐熱性、耐食性など)が求められる。そのため、新しい構造と組織の制御が必要とされる。新しい構造や組織を形成させるとき、無理に形作ると、破壊や剥離の原因となる。無理のない構造や組織を形成させるには、気晶反応や共晶反応のような化学反応を利用した組織制御、凝固時の過冷度や融解エントロピーの制御、自然酸化膜を利用した原子の拡散による成膜など、自然現象や化学反応をうまく利用することが重要である。多くの自然現象を組み合わせることで、構造制御法や組織制御法は、まだまだ無限に存在すると考えている。
無理やり皮膜を付けるのではなく、無理やり孔をあけるのではなく、無理やり組織を形作るのではなく、基材の酸化と拡散、融液や溶液の凝固制御、マイクロ波を用いた局所加熱などにより、新規な皮膜、新規な多孔体、新規な複合材料を創製している。自然現象を利用することのスマートさ、自然に形成される組織の美しさを味わいつつ、研究を進めている。
主な研究テーマ
- 一方向凝固とそれに伴う諸反応を利用したセラミックス複合材料の組織制御
- 耐環境皮膜の創製
- 高次構造制御セラミックス多孔体の創製
- 耐熱性触媒の創製
- 新規な複酸化物の合成
学術雑誌の表紙に写真が掲載されました