分子インプリント法による蛋白質の認識および構造形成促進
ポストゲノム時代の到来により,ゲノム情報をもとにして,蛋白質を大腸菌などで大量発現により取得し,機能や構造の解析が盛んに行われている。しかしながら,蛋白質を大量発現すると,アグリゲーションを形成し,インクルージョンボディとなってしまうことも多い。従って,インクルージョンボディからの,蛋白質のリフォールディング効率を向上させることは,重要な課題である。また,蛋白質を耐熱化し,高温での酵素反応を可能にしたり,耐久性・保存性を高めることは,蛋白質や酵素を実用化する上で重要である。本研究では,分子インプリント法を応用することにより,これらの課題を解決することを目的とする。分子インプリント法は,標的分子を鋳型として,これと結合する機能性モノマーの重合を行うことにより,標的分子の認識機能を有するポリマーを作成する方法である。この手法は,標的分子の検出や定量,分離に利用されている。当該研究では,蛋白質をインプリントしたゲルによる,蛋白質のリフォールディングの促進を目指す。
(平成17年度 科学研究費基盤研究C助成テーマ)
[発表論文] Haruki et al., Biotechnol Prog. 23, 1254-7, 2007
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