ファージディスプレイライブラリーを用いた新機能ペプチドの創製


 新規の機能を持つペプチドや蛋白質を創製するためには,ランダムな配列を持つペプチドや蛋白質を繊維状ファージに提示してセレクションを行うファージディスプレイ法が有効な手段の一つであると考えられる。そのような試みのひとつとして,ファージにディスプレイされたペプチドライブラリーを用いることにより,癌の増殖を促進する蛋白質などに結合し,その活性を阻害するペプチド配列の探索を行っている。このようなペプチドは癌の増殖を抑制することができると期待される(図1)。そこで,癌の増殖を促進する転写因子であるNF-κBに結合し,DNAへの結合を阻害するペプチドのセレクションを試みた。

図1 癌増殖促進蛋白質に結合するペプチドによる癌の増殖抑制

図2 セレクションされたペプチドによるNF-κBのDNA結合の阻害

約0.3mMで50%の結合が阻害された。



戻る