開発費の高騰や臨床試験の厳格化などの理由により、近年新しい医薬品が創出されにくい状況が続いています。その有力な打開策が先に述べたDDSとドラッグリポジショニングによる創薬であると考えられます。ドラッグリポジショニングとは、既承認薬の新しい薬理効果を発見し承認済みの疾患とは別の疾患の治療薬として開発することです。この方法では、臨床試験失敗のリスクを低減できるうえに、既存の毒性試験データや製剤製造技術を利用することで開発時間とコストを削減できます。当研究室でも、日本で認可されている約1200種の既承認薬を集めた既存薬物ライブラリーを用い、既存薬の隠れた薬理効果の再発見を行っています。
既承認薬のスクリーニング試験