ドラッグリポジショニング

既存薬から「未知の効能」を発見する
~新薬開発の壁を越える「ドラッグリポジショニング」~

 近年、医薬品開発費の著しい高騰や臨床試験の厳格化により、ゼロからまったく新しい成分の医薬品(新薬)を生み出すことが非常に難しくなっています。この創薬の停滞を打破する有力なアプローチとして、先述の「DDSテクノロジー」と並んで注目されているのが、「ドラッグリポジショニング」です。

時間とコストを劇的に低減するスマートアプローチ
・ドラッグリポジショニングとは、すでに病気の治療薬として使われている「既承認薬」の中から、別の病気に対する「新しい薬理効果」を発見し、新たな治療薬として生まれ変わらせる手法です。
・この手法の最大のメリットは、すでに人に対する安全性が確認されている薬を使うため、臨床試験での失敗リスクを大幅に低減できる点にあります。さらに、既存の毒性データや製造ラインをそのまま活用できるため、莫大な開発コストと十数年と言われる開発期間を劇的に削減することが可能になります。

既承認薬ライブラリーから「隠れた薬効」を探し出す
・当研究室では、日本国内で認可されている「既存薬物ライブラリー」を活用し、研究を進めています。
・私たちの身近な薬の中に、実はまだ誰も気づいていない「隠れた薬効」が眠っているかもしれません。その未知のポテンシャルを再発見することで、難病などに苦しむ患者様のもとへ、確かな効果と安全性を持つ新たな治療薬をいち早く届けることを目指しています。

                

 

既承認薬からスクリーニングされた薬物(Benziodarone)が、急性呼吸窮迫症候群モデルマウスにて新たな薬理効果を示した