リピッドエマルジョン製剤とは、レシチンで乳化した粒径200nm程度のO/Wエマルジョンに薬物を封入した医薬品です。薬物として、プロスタグランジンE1やデキサメタゾンパルミテート、フルルビプロフェンアキセチルなどが封入され、慢性動脈閉塞症などの治療に広く臨床利用されています。しかし、この製剤は薬物担持安定性が低く、血中投与後すぐに薬物が油相から血中へ遊離してしまい、薬物によっては活性が失われてしまいます。そこで当研究室では、薬理効果の更なる増強を目指し薬物担持安定性を高めた新しいタイプのエマルジョン製剤の開発を試みています。